草古道⑥巫女花
本土南端、
大隅半島志布志湾。
その洋上に浮かぶ、枇榔(びろう)ケ島。
標高80m、周囲4km。
亜熱帯性海洋植物が群生する、
国の特別記念物指定の島。
この島は、
いつも故郷の浜辺から見えていた。
中二の夏、
仲間と流木で筏(いかだ)を組み、
水尻橋の浜から密航した。
目指すは枇榔ケ島。
潮に乗って秀ケ崎にかかるころ、
追手がかかり、
漁船に拿捕された。
この冒険を夏休みの作文に綴ったら、
なんと郡では最優秀賞、
鉛筆ノートをどっさり手にした思い出の島である。
満潮の朝、
島に渡った。
岩場の先に、
鳥居が見える。
もこもこと茂る植物群。
鳥居の下草を払いながら
女神を祀るという
枇榔神社へ上がった。
今なお、
その当時のマグマや断層をむき出し、
夏の海に凄んでいる。
岩を跳び、
崖を上がり、
ジャングルを抜け、
再び海岸へ。
すると、
前方の岩に何か、
氷が薄く張ったような窪みが見えた。
(これは、塩!)
皿のようなへこみに入った波。
それが炎暑に蒸発して、
塩の結晶が膜を張っていた。
いま口に含む塩、
血流に溶けて全身を巡り、
押し寄せる波に共振するように、
いのちの波動が高まる。
浜アザミの群生、
これはすごい。
花弁を守る葉先は剣となり、
他者の侵入を許さない。
ここの植物は天然記念物。
島の女神を守る巫女花なのだ。
島めぐり、4時間。
野草酢で割った2ℓのボトル水も、
残りはあと少し。
「肌色がよか!なんでそげん元気じゃっと?」
渡し舟を降りるなり、
Hさんが声をかけた。
若いころ、
マグロ漁で鍛えたという五体。
どこか格闘家のようなオーラがある。
荒波が生み出す波動エネルギー、
それを日々浴びる海の狩人たちは知っている。
生命力は波動なり、と。
「ちょっと、家に」
もっと話したい、
その元気な㊙をぜひ聞きたいという。
アルコールフリーのビールで乾杯、
いつしか、
島探訪の終わりは宴気分。
「次は囲炉裏で、ぜひ」
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