大隅半島に広がる、国見山系。

山麓を縫う林道。

小春日和の午後、

森に入りました。

大きな葛（くず）の根。

樹上を目指して竜のように伸びています。

樹上に葉を広げ、

光を独り占めしようとしています。

その栄養分は土中の根を肥やし、

人や野生動物の大事な滋養源になります。

（ヤマドリ！）

準絶滅危惧種に指定されたコシジロヤマドリ。

豊かな森にはまだ生息するこの鳥、

ときおり出会う来訪者を恐れず、エールを贈ってくれます。

岩の割れ目から湧き出す水。

やがて渓流となり、

その岸辺に豊かな薬草たちを育てます。

　岩走る　渓水

　地走る　山鳥

　湧水落下　苔を誘い

　葛根龍伸　光を奪う

　木漏れ陽　蝶のように舞い

　一木一草　初春の宴に酔う

この日、

新春の林道を走りながら、

路上に散在する枯れ木を拾い、

森の掃除人となりました。

拾った薪は、

囲炉裏の火になって部屋を暖め、

人の心を一つにしてくれますよ。

森はいのちのふるさと。

森を綺麗にすると、

なにか心が洗われ、全身に健やかな”気”がめぐり、

山神さまがとてもお慶びです。

こうして、太古より、

森は暮らしのいのちになりました。