本日、薬草狩。

春の仕込が始まりました。

野に山に、

清流の岸辺に、

田んぼのあぜ道や山道の木陰に、

春のいのちがあふれています。

ドクダミは根元に泡を吹き、

芳香を放つカキドウシは頭をもたげ、

野アザミは根を張り、

キランソウは紫紺の花びらを女王のように抱きながら、

ぐんぐんと勢力を広げています。

赤目柏はまさに青春真っ盛り。

春の陽光に柔肌をいっぱい広げ、

産毛の季節を早く卒業しようとやっきになっています。

里山はヨモギの楽園、

その先端はすさまじい代謝エネルギーにあふれ、

成長点は刃のきらめきのよう・・・。

土手草の王者、イタドリ。

草原を威圧するスギナの槍部隊。

でも、春のいのちの勢いはありますが、

はかないですよ。

あんなに元気だったイタドリ、クズ、

いったん命の回路が切れると、

その賞味時間、約三時間。

この間に葉を切り落とし、

洗浄して裁断しないと、

新鮮な酵素が萎えてしまいます。

逆に、

秋の野草はマラソンランナーのように強靭で

耐久力に富んでいます。

いのちは春に萌えて夏に盛り、

秋に充足するー。

成長の春草。

その陽のエネルギーがかめ壺に入ります。

そして、ニ年もの発酵の旅に出ます。

野草を狩るとき、

いのちの会話を交わします。

「野草たちよ、

そのいのちをいただくよ。」

「こんなのいのちでよければ・・・。

　その代わり、

　わたしたちの根、茎、葉にも尊厳を贈ってね。」

「もちろん、その名をしっかり刻むよ。」

万物無常

いのちは循環する。

爽やかな一日でした。