九月。

彼岸の日に始めた秋の仕込み、

本日、草納めです。

萩は垂れ

アザミは誇り

シャジンは揺れ

アマチャヅルは群れて

トウキは香る、里の秋。

そんないのちの営みが、

精霊のすみかに聴こえます。

そして、

この日を待っていたかのように、

イチョウは薄化粧に、

葛の葉は朽ちの旅に、

キランソウは紫小花を隠します。

朝夕、

風も肌を刺すようになりました。

風は、

自然の郵便屋さん。

いのちの葉書を届けます。

風は虹や龍の息吹であり、

神の音ずれ。

野草たちにそよぐ風も、

神の音ずれ、命の葉書です。

その葉書が土にとどいたとき、

いのちのふるさと、

風土が生まれました。

風気

風貌

風格

風習

風俗

そんなふるさとに、

野草たちはたくましく生きています。

そして願っています。

みんなのお役に立ちたい、と。

今季も、

そんな小草の思い、

たっぷり壺に入りました。