草古道の旅④~奄美・篠川
旅も最終日。
宇検村寄りの、
山深い桃源郷、篠川へ。
この日、
篠川で自然栽培の黒糖をつくるKさんを訪れた。
着いてから電話を入れた。
「薬草を黒糖発酵させて、野草酢を造っています。」
ほどなくワゴン車が現われ、
工房に案内された。
先客があるようだ。
「キビ栽培と収穫と搾りは主人が、
煮沸から粗糖の処理、袋詰めは私」
夫婦できっちり役割分担して20年、
ようやく引手あまたの境地に近づいた。
白髪に髭をたたえた御仁が階段を下りてきた。
後から降りてきた訪問客らしい女性二人と子供が、
名残惜しそうに別れの挨拶を交わす。
三十代後半と思しき女性二人、
島美人とはほど遠い、スリムで無駄がいっさいない体形!
惜しげもなく肢体をさらし、微笑を流す。
「一人はヨガ、もう一人は料理の先生ですよ。
メシはただ、寝るところは公民館。
汗は少しかいてもらうけどね」
そんな前奏から始まったこの日、
黒糖に半生を賭けた男の生き様を堪能した。
まず、土づくり。
畑に生える雑草やキビの残渣(葉っぱ、はかま)を畑に戻す。
自然の力があふれる土づくりをしている。
次に、手刈り
「機械で刈ると30cmくらいに剪断されてしまい、先端から腐敗が始まるよ。
手刈りはその心配はない」
安心安全な黒糖を届けたい、
そんな思いで一本ずつ手刈りしている。
最後に、黒糖作り。
昔ながらの手作りである。
キビを搾り、
廃材で煮沸し、固形物にする。
注文に応じきれない得も言われない味は、
かつて島の「昔ながらの味」なのだ。
薬草もそうである。
狩るとき「いのちの会話」を交わす。
剪断するときは「機械は痛い!」と泣く野草の心に寄り添い、
ハサミや包丁でやさしくやる。
仕込みが終わると、
残渣物を火葬して魂を鎮める。
草花も木も、
壮大な自然循環の中で活かされ生きる一物。
そんな波動が黒糖からも伝わってくる。
「あのね、
土はキビの思いを感じると自然に微生物を寄せ、
自分で最適な土を贈ってくるよ。」
こうして“生命値”の高い黒糖が生まれ、
関西方面の美女を引寄せるのだ。
「奄美の薬草を奄美の黒糖で発酵させる、どうでしょう?」
「いいね!」
「では、送ってくれますか、大隅に。」
大隅半島で自然栽培のキビを作り、
手作り黒糖で野草を発酵させるー。
この日、
一つの夢がはじけた。
自然薬草園で育てた薬草酢の製造・販売|株式会社薬草酢本舗 芳山坊
株式会社薬草酢本舗 芳山坊では、野草たちと共に生きることをテーマに、みなさまの健康をサポートする薬草酢の製造・販売をしています。自然薬草園で育った野草を手間暇をかけて熟成させた薬草酢は、野草たちの持つ自然の治癒力を全身にめぐらせて血行を良くし、体を温め、体内循環のリズムを整えます。暮らしの中に自然のいのちをつなぐ野草酢をぜひお試しください。
屋号 | 株式会社薬草酢本舗 芳山坊 |
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